第一節 ~蒼に降る雪~

6/6

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「用事はそれだけか?」 「うん? まぁそれだけって言われたらそうなんだけど……」 「……じゃあな」 レオはしつこいセールスマンを追い出すようにあしらった。 「あっ…… チェッ、せっかく連れてってあげようと思ったのに……」 締め出されたドアの向こうで愚痴るワイチ。 「そんな怪しいのは願い下げだ」 毎度こんなことに付き合わされていたレオは、正直引っ越しまで考えた程だ。 だいたいワイチとの出会いは最初から最悪だった。 たまたま酒に酔ったレオが、間違ってワイチの住む隣の部屋に入ってしまった事。 そしてたまたま付けていたアクセサリーが悪魔払いの道具とよく似たデザインだった事。 それを見たワイチが、世界を救うためにエクソシストが現れたと崇めだした事。 今では誤解は解けたが、その一件からやけになついてしまった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加