56人が本棚に入れています
本棚に追加
「………あ、私は…三浦 深雪です…」
こ、声が……震えてるよぉ~~!
じっと…私を見つめてくる…
冷たい目線に…ドキッとした…
「……俺は前まで、北沢 学(きたさわ まなぶ)と言う小説家の編集者をしていました…」
えっ……?
き、北沢…学っ?!
今人気の小説家さんだよっ!?
そういえば……この人って…
《佐伯 尚太郎が編集者になる人は…
必ず売れる作品になる…》
と言われてる人だよっ……
そ、それが……
私に巡ってくるなんてっ…!
エ、エリート…なんだよね?
ど、どうしよう…
すごい安い紅茶しか無い…
「…あの、仕事……見せてくれますか?」
えっ……?
もう?
…ご、強引……だなぁ…
「……は、はい…どうぞ、お入り下さい…」
あ…私…昨日と同じ服……
よれよれのタンクトップに
ノースリーブのTシャツ、
下なんて…ショーパンツ…
最悪過ぎる……もっとしっかりした服を選べば良かった…
昨日、ずっと作品に悩んでたら…
一睡も出来なかった…多分、
顔も凄いことになってるはず…
「……うっ…」
えっ…?
何?
「………これ、全部……ですか?」
床には見慣れた…
プリントアウトしたままの
プリントがあっちこっち
散らばっている…
うん、いつも通りだ……
「……汚い…そして…」
カサッ…
私が今、一番次に向けて
書いている小説を手に取った…
「…ハァ…つまらない…」
えっ……?
いまなんと?
私の聞き間違いかもしれないから…
「…あ、あの……」
「……よく、デビュー出来たな…こんなの…」
ポイッと適当に…
私が一番注ぎ込んでいる
小説を投げた…
そう、投げたのだ…!!
信じられない…者を…見てしまった…
最初に出会った時と全く、
性格が違う事に気づいた……
「……ど、どうゆう…つもりですか?」
「…はぁ?だから……下手くそって言いてぇの…俺は…」
ええええっ?!!
「………俺は…何事も、下手くそは嫌いなんだ…だから、お前のその弱気った根性鍛え直してやる…」
「……そ、そんな…」
私の平穏…返してくださいぃぃ…!
最初のコメントを投稿しよう!