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「………」 「………」 優しく握られた手から、自分の手を抜いた。 「……冬原、されるの、やだ?」 「……は?……なに言って…」 「俺は…、冬原にしたい」 「………」 「俺に、してくれたこと。俺も…したいんだ」 抜いた手の指を、冬原の指先にちょんと触れさせて。 「……やだ?」 「…お前……」 目を見開いて、若干戸惑って。 珍しい表情だな、とか思いながら。 俺は自分の手を、その指先から、手の甲へ移動させて。 そして、自分より少し大きいその手を、包み込んだ。 手を繋ぐのは…冬原のいつものクセだ。 その、クセは…。 「なつ……っ、………」 言葉を遮るように、蓋をする。 顔の角度を変えて、もう一度。 ちょっと大人のキスは、俺にはできないけど。 その代わり…ゆっくりゆっくり。 俺の気持ちが…伝わればいい。 お前が好きで。 お前がよくなるなら……。 俺で、気持ちよくなってほしいから。
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