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「先生……」
(私が、先生に贈る花束)
花はすっと息を吸い込み、痺れた手を動かし始めた。
(私が、先生に……)
久慈はじっと花を見ている。
レンズが外れた、プラドレッドの向日葵のような、赤みがかあった褐色の瞳から、光が降り注ぐようだ。
花は、大ぶりの花束を整え、久慈に差し出した。
「……こちらでいかがですか?」
久慈がじっと花束を見下ろした。
「ええ。いただきます」
葉をむしって、茎を切り揃え、スポンジを巻きつける。
アルミニウムでそれを覆って、輪ゴムで留める。
もう一度バランスを確かめて、ラッピングペーパーでぐるりと覆う。
シールで端を留め、リボンを掛ければ完成だ。
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