3/52
前へ
/1318ページ
次へ
掛布団を体に巻きつけて回転した私のせいで、課長は素っ裸で布団の上に。 「わっ、隠して下さいっ。」 「ぶっ、隠すわけないだろっ。ほれほれほれほれ。」 隠せと言ったはずなのに、そのまま私の方に近寄ってこようとする課長。 慌てて簀巻きになってる布団の中に潜り込んだ。 自分の吐く空気で布団の中の湿気が増すけど、今はそれどころじゃない。 貞操の危機をどうやって守るかだ。 落ち着こう。 まずは、深呼吸。 そして、現状把握。 裸で布団の中にくるまる私と裸で迫ってくる課長。 「みゅー、出て来いって。つーか、布団を寄越せよ。寒い。」 課長の言葉もごもっともだと思い、そうっとそうっと布団から顔を出した瞬間に頬に触れた生温かく柔らかい皮膚の感触とオデコに触れたもじゃもじゃ!? オーマイガー。 目を瞑りたくなる衝撃の現場が目の前に。 なぜ、クララが目の前に出現してるんだ。 そして、その後の沙汰は記憶にないけど気が付いたときには課長が呻きつつ体を折り曲げ布団の上でのたうちまわっていた。 新藤家は真宗東本願寺派だけど、課長のためにこの言葉を贈りたい。 アーメン。
/1318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7298人が本棚に入れています
本棚に追加