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3月上旬。
沖縄の海が太陽の光に照らされてキラキラと輝く。
海の上を滑るように走って行く小型の船。
「うわ、これサイコー!!」
俺の隣にいる所百合(トコロ ユリ)がポニーテールを揺らしながら声を上げる。
「だな! クルージングサイコー!!」
俺、原正拓夢(ハラマサ タクム)は百合の言葉に何度もうなづいた。
今この船には俺と百合、それに5人のクラスメイトたちと、運転手が1人乗っていた。
戸浦高校3年A組の仲良しメンバーと、今日は卒業旅行へ来ているのだ。
この楽しい旅が終わればみんなバラバラになってしまう。
そう考えると少しだけ寂しかったけれど、海風にあたっているとそんな気持ちも吹き飛んでしまう。
「おい、拓夢! 見ろよ!」
俺に声をかけてきたのは高島嵐(タカシマ アラシ)だった。
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