92人が本棚に入れています
本棚に追加
☆☆☆
建物の中は春姫の言った通り真っ白な壁に囲まれていた。
大人2人が並んで歩けるくらいの幅があり、その奥には真っ白なドアが見える。
「なんだここ……」
あまりに何もない真っ白な空間というのは、とても異質に感じられる。
俺たちは入り口付近で立ち止まり、白い壁や天井を呆然として眺めることになった。
「普通の家って感じではないね」
彗が言う。
「あぁ。なにかの施設か?」
嵐もこの空間にさっきまでの勢いを失くした状態でそう言った。
施設。
そう考えるのが正しいかもしれない。
人の気配のない小さな島でなにが行われていたのか。
最初のコメントを投稿しよう!