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そう思って見ると少しだけ背筋に寒気が走った。
未知の生物実験や、ウイルス開発。
怖いテレビやマンガの世界を一瞬にして思い出すけれど、現実世界でそんなことは考えにくい。
だいたい、そんな大層な施設ならカギが開けっ放しで警備会社にも入っていないなんておかしい。
きっとここは島の集会場かなにかだったのだろう。
俺はそう考える事にした。
「とりあえず雨はしのげるからいっか」
春姫がそう言った時、バンッ!と大きな音が響き、全員がビクッと体を縮めた。
「おい、あれ……!」
嵐が音のした方を指さし、全員が視線を向ける。
「ドアが閉ってる……?」
彗が怯えたように言う。
本当だ。
俺たちが今入って来たドアが閉っている。
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