台所

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ドアは開かない。 壁も壊せない。 スマホも通じない。 そんな空間の中、俺たちの視線はただ1つの方向へと向けられていた。 廊下を進んだ先にある、たった1つのドアだ。 「……行くしかねぇだろ」 嵐が呟く。 「でも、もう少し待っていれば運転手さんが助けに来るんじゃない?」 百合が言う。 「そうだよ。無暗に動くと危ない気がする」 彗が百合の意見に賛同した。 「じゃぁお前らはここにいろよ。俺は行く」 女子たちの意見を聞き入れず、嵐が廊下を進んでいく。 それを見て、俺は慌てて嵐の後を追った。
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