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その先も廊下と同じで真っ白だと思っていた。
けれど、ドアを開けた瞬間俺の目には鮮やかな色が飛び込んできていた。
「この部屋……台所か?」
先に部屋に入った嵐が呟く。
「本当だ、台所だ」
真っ白な部屋じゃなかったことに安堵しつつ、部屋の中を見回す俺。
4畳半くらいの広さの中、薄ピンク色の小さな冷蔵庫がある。
そして横には小さなシンクとガス台。
「なにここ……?」
俺の後に入ってきた百合が首を傾げる。
「台所みたいだ」
「本当だ。じゃぁ、ここはやっぱり誰かの家なのかな?」
「そうかもしれない」
そんな会話をしていると、嵐が「誰かいませんか!?」と、声を上げた。
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