台所

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「は? なんだよそれ、ここお前の家?」 嵐がそう聞くと、彗は大きく首を振った。 「そんなワケないでしょう!?」 それはそうだろう。 こんな小さな無人島で1人暮らしをする大学生なんて、滅多にいない。 それに、彗が通う大学は東京の大学だ。 ここは沖縄。 こんな場所選ぶハズがない。 「呼びかけても返事はないようだし、やっぱり人はいないみたいね」 春姫が言う。 「あぁ。そうみたいだな」 俺はその言葉にうなづいた。 生活感は感じられるが、人のぬくもりや人がいた気配はなかった。
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