92人が本棚に入れています
本棚に追加
「彗と良も、こっちにおいでよ」
百合が声をかけると、後ろにいた2人が「なになに?」と、こちらへ向かってきた。
小松彗(コマツ スイ)と、永井良(ナガイ リョウ)。
2人とも小柄で、彗は女子の中で一番背が低く、良は男子の中で一番小さく、そして横には大きかった。
「おいおい、ドタドタ走ってくるなよ。船が沈むだろうが」
良の足音に嵐がチッと舌打ちをして言った。
「ご、ごめん」
嵐に睨まれてひるむ良。
「こらこら、ここまで来て喧嘩はなしなし」
俺はそう言い、2人と肩を組んだ。
「ご、ごめん」
良はまた謝る。
嵐もこの場の雰囲気を壊したくないのか、なにも言わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!