守護騎士《パラディン》

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「白銀狼……の死体ですか。なるほど」 1匹ではない……10匹ぐらいはいる。 深いため息を吐く。 ミズキさんはきっちりと状況を把握してくれたっぽい。 俺もリリシアからこの世界の知識を教えて貰っていたから分かったことだ。 勇者パーティは火憐も含めて脳筋の奴らばっかりで異世界の知識をつけるなんて考えもしていないだろう。 知識は力だ。 間違いなくあいつらの無責任で村は崩壊しかけたんだ。 どうせレベル上げのため白銀狼を狩っていたのだろう。 これは笑い事ではない。 「白銀狼は通常人を襲わないはずですよね」 リリシアに教わったのは白銀狼が人を襲わないモンスターであること。そして白銀狼を殺してはいけないことだ。 「その認識で相違ありません。しかしこの世界に住んでいる人なら白銀狼に手を出すことは絶対にありません」 俺の考えとミズキさんの考えも相違は無い。 「なぜ白銀狼を殺してはいけないのですか?」 だいたいの予想はついているけど勉強のためにも聞いておいて損はない。 「人から聞いた話ですが、過去に白銀狼を殺して……その肉を食したパーティがいるのです。そのパーティは数日後、原因不明の病にかかり即死したことから、白銀狼を殺してはならぬと暗黙の了解となりました」
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