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前に居た世界でも死んだ動物は危ない菌などを所持しているから触ってはいけないと言われていたな。
菌らしき物が空気を汚し、村全体に広がったということ。
白銀狼を食べたというパーティも菌が原因で即死したんだな。
火葬すれば菌は殺せると思うんだが生憎……火を起こせる魔法を使えない。
「ミズキさん……火を起こせる道具なんて都合のいい物ありませんかね?」
「ありますよ……これが」
ミズキさんが鎧の中から取り出して掴んでいるのは黒い石。
火を発する魔法石か何かだろうか。
「これは火打石と呼ばれる鉱石です」
ミズキさんは火打石を白銀狼に向けて思い切り叩きつけた。
ボアっと一瞬にして燃える白銀狼の死体達。
ごめんな狼。俺と一応同族の奴らがお前らに馬鹿なことをしたんだ。
「許せないです」
ミズキさんは狼が無惨にも焼かれて灰になる光景をじっと怒りのこもった眼差しを向けていた。
「ごめんなさいミズキさん」
俺は自分の責任では無いにしろ知り合いが原因なんだ。
謝るぐらいしか出来ない。
「ユウトくんが謝る必要はありません。現にユウトくんは村人を救っています」
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