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「火と煙でリングベアーを呼び寄せてしまいましたね」
ミズキさんはリングベアーという名の熊を前に、至って落ち着いた表情。長槍を構えて、攻撃に備えようとしているようだ。
それにしてもデカイ。
ミズキさんの胸じゃないぞ。リングベアーの身体だ。胸は鎧に隠れているから正確には把握できないが、普通ぐらいか。
そんなことはさておき、でかい熊のモンスターは全身を覆う毛の中で数カ所にリングの形の色が違う毛が生えている。
ああ……だからリングベアー。
「グゥ…………」
ゆらゆらと歩き始めたリングベアーは獲物(ミズキさん)を襲おうと長い腕を大きく振り上げる。
危ない……!
「ビックシールド」
ガチン。と鳴り響いた音。
俺の心配は無用だったようだ。
ミズキさんがビックシールドと声に出した後、魔法陣が展開され……身体を埋め尽くすほどの大きな盾が魔法陣から出現した。
そんな盾を軽々しく持ち上げるミズキさん。
確かにそれも凄いが、リングベアーの数回の攻撃に傷一つ付いた様子もない盾の堅牢さに驚きを隠せなかった。
「グゥゥゥ!グギャー」
盾に攻撃を諦めずに仕掛けているリングベアーに間髪を入れずに長槍を喉に突き刺すミズキさん。
意地を見せるリングベアーはまだ倒れはしない。
てか、リングベアーって見た目的には弱そうなモンスターではないはずだ。
それをこうも簡単に……相手にするとわ。
ミズキさんが弱いなんて信じられない。
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