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俺とミズキさんは病気の原因となった事柄を村長に報告するために村に戻って来た。
俺たちの報告を聞いた村長と村人は口を揃えてこう言った。
「あのパーティのせいだ!!!」
その言葉を聞いても多少は微妙な気分になるが、大して気にもしていない。
悪いのはあいつらなのは間違いないからな。
「そなたたちは村の英雄じゃ。本当にありがとう!」
村長の後に続いて、ほとんどの村人が頭を下げる光景に若干引いてしまう俺。
ミズキさんは優しく微笑む。
「今日は宴じゃ!皆の者宴の準備をするんだ」
村人達は先ほどまで病原体によって死にかけていたとは思えないほどのテンションで騒ぎ始める。
そんな光景を見て俺も何だか騒ぎたくなってきた。
「あのー……よろしければなんですけど、村の特産品であるラプリアをお食べになりませんか?」
村の少女が運んできたのは黄色のパプリカみたいな食べ物だった。
野菜にしか見た目は思えないが、甘い匂いからして柑橘類だ。
俺は手渡されたラプリアをそのまま口に放り込む。
おお……これは美味い。
口の中で噛めば噛むほど味わいを増していき、果汁が溢れ出す。
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