第4話 カタメの世界 3

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鑑識に回され、供述にあった液の反応が出たのは、倉庫に向かう前日だった。 急がせていたら、被害者が減っていた。 出口の取り調べの途中。 眠りにつき、起きたリリコが杉田に言った。自分の責任だと、無表情な顔で。 「杉田君さ、セブンって映画観た事ある?」 向かいからの声に、止まっていたのに気付く。 「いいえ」と答え、両手を動かす。 「キリスト教の七つの大罪になぞらえて、七つの遺体を作る男と、それを追う刑事の話しなんだけど。あ、ごめん」 大丈夫ですと杉田が言い、松波が続けた。
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