第4話 カタメの世界 3

9/36

60人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「悲惨な遺体を、次々と見せて、刑事が捜査に必死になってる間に、犯人は目的を果たして、映画は終わるんだけど。刑事になって見返したら、ムカついた」 松波の、いつもと違う声と顔。 杉田は何も返せず、静かな部屋に響いた。 「小包を作る前に、捕まえます」 気配無く現れ、リリコが言った。 「見た事るんですね。あ、最悪。電話してくるね」 表情を緩めた松波が席を立ち、リリコが代わりに座った。 「どうして、松波さんの家でなく、うちなんですか」 「……こっちの方が、落ち着くって」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加