ロール 【1】 波立つ

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映画も大好きだった。 無類の映画好きの両親の影響で、幼い頃から様々な映画を観ていたが、中学の頃には自分で見たい映画を見つけて映画館に足を運んだりもしていた。 ただ、そう頻繁に映画館に行ける訳はなく、主にTVで放映される映画をとにかくたくさん観ていた。 月曜ロードショー、水曜ロードショー、金曜ロードショー、日曜洋画劇場…淀川長治氏、水野春郎氏など超個性的な解説者のトークも最高に面白かった時代だ。 民放で放映される映画はその殆どが吹替え作品だったから、私は吹替え作品で映画を学んでいったと言っても過言ではない。 やがてそれらの経験が、私を声の芝居の道へと誘うことになるのだが。 『声』に話を戻そう。 とにかく、歌うことを辞めた私は、ますます声を出さなくなっていったのだった。 高校生になり、多くのいい友人たちにも恵まれた私は、本来のお喋り好きな 少女に戻っていた。 相変わらず漫画を描いたり文章を書いたりも大好きで、そちらもせっせと続けていた。  当時から行動力だけはあったものだから、同人誌を作ろうと呼びかけて非常に拙い同人誌を作ったり、大好きな漫画雑誌の編集部にコンタクトを取り、担当編集者の方にインタビューをするため上京したりと忙しく楽しい毎日。
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