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ロール 【0】 プロローグ
あなたの夢を叶えるために必要な時間について、考えたことがありますか?
人にはそれぞれ人生の持ち時間があります。
私がそれを強く意識するきっかけになったのは、2011年の東日本大震災でした。
おそらく多くの人が、あの震災をきっかけにそれを自分自身に問いかけたことでしょう。
私もその一人でした。
命ってなんだろう。生きるってなんだろう、と。
重い病気で余命宣告でもされない限り、自分の人生に残された正確な時間を知る人間は殆どいません。想像する自身の寿命から逆算して、おおよその残り時間を把握したとしても、
不慮の事故、自然災害などによって突然残りの人生の全てを奪われてしまう場合もあります。命というものの、なんて不確かで危ういことか。
私が、今ここで生きている、息をしている、それは当たり前ではないんだ。
だから、無駄に過ごしていい時間なんて一秒たりと無い。
私がやりたいこと、それを叶えるための持ち時間は日々確実に減っている。だから迷っている暇はない。
そう改めて感じた2011年の春。
私は、ある決断をしました。
大変なことはたくさんあるけどそこそこ安定した平穏な人生を送っていた筈の私が、
『いいオトナ』な私が、守らなくてはいけないものをたくさん抱えた私が、
自分の人生の残り時間の全てを賭けて、挑もうと思ったこと。
心の奥底に仕舞い込んでいた、古い夢を引っ張り出して。そして、新たに生まれた小さな夢をしっかりと抱いて。
人生の最期を迎えるその瞬間に、決して後悔しないために。
これは、
声の芝居の世界に魅せられた、私の物語。
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