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境界線の手前ギリギリで必死にそう言い聞かせてるのに。
やはりこの女は俺を狂わす。
「好き…」
「え？」
「私っ…楠田部長が好きっ！」
「………………」
「オネエでも、そうでなくても…部長が好きなのっ！」
潤んだ瞳で俺を見上げる葉月は、無自覚なまま男の意地を打ち砕いた。
はっきりとその唇から紡がれた好きという言葉に、動揺が隠せない俺は無言のまま彼女を抱きしめることしか出来ないというのに。
「好き！大好き！どうしょうもないくらい好きっ！」
「葉月ちゃん…」
「受け入れてくれなくてもいいから好きっ！」
しつこいほどに好き好きと連呼する葉月に無性に腹が立った。
いったい何なのお前は。
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