Act.21 Side Ayumu

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「とりあえず映見ちゃんも心配してるし、帰るわよ葉月ちゃん」 「うん…だけど…」 「…なぁに?」 こっちは必死だってのに。 やっぱり葉月は俺という人間を憎たらしいほど理解してるらしい。 「もう一度…キスして」 「はぁっ?」 「それでまた私、頑張れるから」 コイツ……まだ酔っぱらってんのか? それとも素面でそれ言ってんのか? ……けれど。 こみ上げる愛しさはもう止められはしない。 「ホントにアンタは…」 どんだけ罪作りな女なんだか。 そう思いながら、彼女の唇を優しく塞ぐ。 触れ合った感触は、初めてでもないのに俺の胸の鼓動を苦しくなるほど逸らせた。 もう絶対にここから逃がしてやるものかと思いながら。
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