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「とりあえず映見ちゃんも心配してるし、帰るわよ葉月ちゃん」
「うん…だけど…」
「…なぁに?」
こっちは必死だってのに。
やっぱり葉月は俺という人間を憎たらしいほど理解してるらしい。
「もう一度…キスして」
「はぁっ?」
「それでまた私、頑張れるから」
コイツ……まだ酔っぱらってんのか?
それとも素面でそれ言ってんのか?
……けれど。
こみ上げる愛しさはもう止められはしない。
「ホントにアンタは…」
どんだけ罪作りな女なんだか。
そう思いながら、彼女の唇を優しく塞ぐ。
触れ合った感触は、初めてでもないのに俺の胸の鼓動を苦しくなるほど逸らせた。
もう絶対にここから逃がしてやるものかと思いながら。
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