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店を出た俺は、葉月の手を握りしめたままタクシーに乗り込んだ。
このまま家に連れ帰ったら、自制するのは相当厳しい気がするけれど、今夜はどうしても彼女と一緒に眠りたかった。
いや、彼女をひとりにしてはいけない気がした。
「連れて帰るから」
「はいっ?」
「アタシんち」
「え?」
「いや……俺の家」
「俺?」
「そう、俺」
「…………」
唖然とする葉月にクスッと笑って、もうひとつ彼女の開いたままの唇に短いキスを落としてやった。
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