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平日の夜とは思えないほど賑やかな店内へと足を進めると、カウンターにいたホストが慌てて俺に歩み寄る。
「お客様、申し訳ありませんが身分証明書を……」
言いかけたホストに俺はジロリと視線を向けて言い放った。
「翔平を呼んでくれ」
「はいっ?」
「翔平のところに葉月という女が来店しているはずだ」
「いや、それは……」
困惑したホストが何か言いかけたけれど、俺はお構いなしに一目散に奥のゲストルームへと足を進める。
「お客様、お待ちください!」
「大切な女を迎えに来ただけだ」
「しかしお客様……」
まだ食い下がるホストに俺は足を止め、言い放った。
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