Act.21 Side Ayumu

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あの店を出た時から、俺の中にムクムクと湧きあがっていた男の欲なんてアッサリと打ち砕かれた。 やはり葉月と俺はこのままの関係を保ちつつ、けれど一番近い場所でお互いを見つめて行くことが正しいのだろう。 次に彼女の裸を見るのは、はたしていつになるのやら。 けれど葉月の想いが俺の想いの丈に追いつくまで、俺はやはり待つしかないらしい。 その心の中にまだ残っているであろう、黒田君への想いも。 何もかもを俺に打ち明けられる時が来るまで。 「葉月ちゃん、そろそろ寝ましょうか」 「あ、じゃあ居間にお布団敷いて……」 「面倒だから敷かなくていいわ」 「はい?」
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