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「あのゲストルームで枕営業が行われてるって警察に通報してやろうか?」
「……な……何をおっしゃって……」
「タレこみされたくなかったら、あの部屋の鍵を出せ」
「…………」
「出さないなら蹴り破るが」
眉根を下げたホストに俺は小さく笑って財布から金を取り出した。
「これはドアの修理代に使ってくれ。
俺の大切な人を取り戻したいだけで、この店と揉める気はない」
俯くホストのポケットに金をねじ込んだ俺は、葉月がいるであろうゲストルームのドアの前に立った。
そして迷うことなくそのドアを思いっきり蹴り飛ばす。
しかしビクともしないドアに一気に頭に血が昇った。
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