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しかし沸点に達した怒りはそう簡単には収まらない。
葉月が家飲み以外で泥酔なんて、今までの彼女にはあり得なかったことなだけに、確実にこの男が仕組んだと俺は思った。
しかし突然投げ飛ばされたことで状況が理解出来ない翔平は首を傾げる。
「え?あれ?」
「あれ?じゃねーよこのボケ!
葉月に何しようとしてたんだっつーの!」
「いや…まだ入れてないっすけど」
「まだ、だと?」
「アハハ…未遂で終わりまして」
たとえ未遂であっても、許せることじゃない。
まだ治まらない怒りをたずさえたまま、俺は葉月に視線を向ける。
相変わらず口を開けたまま、俺を見つめていた彼女の危機感の無さに尚も怒りがこみ上げた。
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