Act.21 Side Ayumu

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そう言って笑った翔平がゲストルームを出て、壊れたドアを閉めた。 けれど翔平に言われた通り、今の俺は本当に必死だ。 何度も心で否定して来た葉月への思い。 しかしもうそれを押し隠すことも出来ずに、こんな風にドアを蹴り破ってホストを背負い投げ。 オネエの仮面なんてどこへ捨ててしまったやら。 だが……これがありのままの楠田歩だった。 三島葉月を愛してしまった、呆れるほどに余裕のない、俺。 「あの…部長…」 「……………」 「ご……ごめんなさい」 今にも泣きそうな瞳で謝る葉月の姿に、ようやく冷静さを取戻し慌ててオネエの仮面をつけてみても。 押し隠せない本当の胸の内。
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