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カナメは、携帯に視線を落とし、固まった。
「カナメさんは、カオル君と同じ病院で最後を迎えて下さい。あなたは、もう、
神様とは会えません。なぜなら」
リリコの言葉に、金属音が重なる。
電車は中津駅に停まり、扉が開く。
ホームで待機していた、大勢の警察の人間が、中に入ってくる。
両脇を抑えられ、カナメは、ゆっくり席を立った。
「梅林寺さん、会った時に、伝えて下さい」
周りの人間を制し、リリコがどうぞと言った。
カナメは、短い言葉を、小さく零した。
「分かりました。必ず、伝えます」
カナメは頭を下げ、笑顔を浮かべたまま、捜査員とともに電車を降りた。
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