第5話 カミサマはいない

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カナメは、携帯に視線を落とし、固まった。 「カナメさんは、カオル君と同じ病院で最後を迎えて下さい。あなたは、もう、 神様とは会えません。なぜなら」 リリコの言葉に、金属音が重なる。 電車は中津駅に停まり、扉が開く。 ホームで待機していた、大勢の警察の人間が、中に入ってくる。 両脇を抑えられ、カナメは、ゆっくり席を立った。 「梅林寺さん、会った時に、伝えて下さい」 周りの人間を制し、リリコがどうぞと言った。 カナメは、短い言葉を、小さく零した。 「分かりました。必ず、伝えます」 カナメは頭を下げ、笑顔を浮かべたまま、捜査員とともに電車を降りた。
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