第5話 カミサマはいない

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※ 「お疲れ様です。今回のお手柄で、階級、上がっちゃうんじゃないですか」 助手席に座ったリリコに、運転席の松波が言った。 「それは、松波さんですよ。そういう約束でしょう」 松波は笑顔を返し、リリコに水のペットボトルを渡して、車を出した。 まだ日が高い窓の外、地下鉄中津駅が遠くなる。 「やっと、まともな生活出来ますね。今日は、何食べたいですか」 明るい声に、リリコは答えない。 「どうしました。カナメさんの言葉に、傷ついてるんですか」 返ってこないが、松波は続けた。 「同じだと思ってるなら、馬鹿ですよ」
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