第5話 カミサマはいない

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「それは、どうしてですか」 「梅林寺さん、ここで、私と一緒に死ぬか、あの人のものになるか、新大阪に着くまでに決めて下さい」 「どうして、事件を起こし、私を試す様な真似をするのでしょうか」 「それは、私には分かりません。しかし、あの人の考えは、絶対ですから」 「どうして、そう、言い切れるんですか」 カナメは、両目を深く垂れた顔で言った。 「私を、絶望から救ってくれた、神様と同じ存在だからです。これからどうしていいか分からず、迷っていたところを、手を引いてくれ、正しい道を教えてくれた。法や倫理よりも、あの人の考えが、私にとって唯一なんです」 カナメの言葉に、鳥肌が立っていくのを感じた。 すうっと息を吸ってから、リリコは口を開く。
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