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俺の話をじっと聞いていたそいつは、
何か言おうとして、でも何も言わず、また口を閉じた。
暫くそれが何度か続いて、
俺は思わずハァとため息をついた。
そして、持っていた買い物袋の中から、あるものを取り出して、ポイとそいつに放り投げた。
「俺を信用できない気持ちは分かる。
…だから、俺の弱点を不本意だが教えよう」
あるもの、を受け取ったそいつは、
じっとそれを見つめ、俺を見、そしてまた手の中にあるそれを見つめた。
「……たま、ねぎ?」
会って、数分後。
こいつが初めて口にした言葉は、それだった。
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