第1話

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数十分後ーー。 柔らかく煮込んだローストビーフ 木の子と野菜のミルクリゾット ふわとろスクランブルエッグ モッツァレラチーズとトマトのオーブン焼き ヒラメとアボカドのカルパッチョ コーンポタージュスープ 計6品が、食卓に並んだ。 さすが俺、見た目も味も完璧だ。 そんなことを考えていると、 ガチャ、とドアが開く気配がして振り向く。 「……あっあの…」 思わず、その姿を見て…驚愕した。 「お風呂…あり、がとう…」 「……」 こいつ…… 風呂入ったくせに、またあの汚ねぇ服着てやがる…!!! 「…やり直し」 グイッとそいつの襟首を掴むと、ポイッと再び風呂場に放り投げる。 えっ!と声をあげたそいつに、早口でまくしたてる。 「脱衣所に俺が用意した服があるから、そっちを着てこい。迷惑がかかると思ってるんだろうが、それを承知の上で俺はお前を拾ったんだ、気にするんじゃない。あと、お前が今着ている服はそこにある洗濯機に入れておけ」 ハァ…手のかかる〝猫〟だ。
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