第1話

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朝は、苦手だ。 できることならば、ずっとこのまま、このふかふかの毛布にくるまっていたい。 そんな俺の願望を遮るように、さっきからけたたましく鳴っている目覚まし。 うんざりとそれを見たあと、掌でパン!と音を止めて、再びベッドへ潜り込む。 「かおる~?」 その数十秒後、ガチャとノックもなく開いたドア。 もちろん俺は、ベッドの中。 「かおる…」 「……」 あと、10分だけ。 10分だけ寝させてくれよ頼むから。 そんなことを心の中で呟き、再び眠りの世界へ旅立とうとしたとき 「…かおるが起きないのが悪いんだからね」 切なそうに耳元で囁かれた…と思えば
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