第1話

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「くっさ!!!」 次の瞬間、ぷーんと臭う俺の嫌いな香りに、思わず飛び起きた。 「かおる、おそよう」 あまりの臭さに鼻を摘みながら、横でニコニコと笑う奴を睨む。 「おっ前…ふざけんなよ?」 「俺は至って真面目に、かおるを起こそうとしただけだよ?」 「だからって、〝それ〟を使うか!?もっと他に起こし方があるだろっ」 ビシッ!と俺が指差した先にあるのは… 「美味しいんだよ、玉ねぎ」 そう… コイツは、俺の嫌いな食べ物ベスト3に入る玉ねぎを、生のまま俺の鼻に擦りつけやがったのだ。 …悪魔め。
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