最後の海

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「――行こうか」 私たちは歩き出した 朝日を背に浴びながら 海へ来る時は 真っ暗だった道 今は 明るく照らされた道 私たちは並んで ゆっくりと歩いた どちらからともなく 手を繋いで もっと もっと 近くにいたくて 彼にぴったりと 寄り添った 二つだった影が 一つに重なり 私たちは 言葉少なく 歩き続けた
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