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脳内大混乱のヨシュアに構わず、人間(女王巫女)VS狼(神様)
の様相は白熱していく。
カミはすっかり毛を逆立て、言い返す言葉に腹の底まで響いてくる唸りが混じり出している。
口が開く度に尖った牙が鋭く光り、自分に向けられているわけじゃなくても、ぞくりと身の危険を感じる。
それなのに、相対するレスターはガンガン言い返して引けをとらない。
どころか、言い合いにおいては優勢なくらいだ。
実に恐ろしい女性である。
「カミ、やめて。お願いだから」
一触即発の緊迫を破ったのは、体を張ったティアラだった。
迫力の形相で唸るカミの首根っこに抱きついて止めに入ったのだ。
「わかった。他でもない、ティアラが言うのなら引いてやろう」
途端に声音が甘くなり、ティアラに優しく頬ずりをする。
「ところで、ティアラ。あのちんちくりんは誰だ」
ちんちくりん……認めたくないが、間違いなくヨシュアを指していた。
バカでかい狼様から見れば、人間なんてどれもちんちくりんに決まっている。
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