第二章

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「なんだよ」 「どうして叔母様は平気なの」 「ん?」 「肩を抱かれても、手を繋いでも平気だったじゃない」 「全然、平気ってわけじゃないけど、あの人は変な気を起こさないだろ。そういう意味なら、エヴァンさんとリオンの方が平気だな」 「二人に会ったの!?」 「うん、リオンを抱かせてもらった。ぷくぷくで可愛かったな」 思い返せば、二人に会ったのも今日の出来事だった。 レスターに振り回されたのが衝撃すぎて、すでに遠い過去のようだ。 「私は?」 「私?」 「そう、私の事も平気?」 やけに前のめりの姿勢で質問された。 正直、ヨシュアは返答に戸惑った。 あのレスターを知った後では、約束を守って夜にちょっと会いにくるくらい可愛いものに思える。 いつの間にか二人きりだと素でしゃべっているし、極限まで関わりたくないと拒否する気持ちは薄れていた。 だからといって、エヴァンのように安心して近くで話せるかと聞かれれば、それは違う気がする。 「んー、微妙」 結局、ヨシュアはこう答えた。 極力近付くなと容赦なく切り捨てたわけではないので、ティアラは満足してくれるものとばかりに考えて。 ところが、ティアラはどの角度からもふくれっ面にしか見えない不満げな顔を返してきた。
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