第二章

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ティアラにすれば、当然の反応だった。 女性に気を使う事を放置する素のヨシュアには、誰だろうと自分を微妙と評価されて喜ぶ人はいないという簡単な感情にも思い至らないらしい。 妙に静まりかえった店内で、不穏な空気を察して片付けられずに素通りするしかなかった店員のため息に、お互いに納得のいかないヨシュアとティアラは全く気付かないのだった。       * * * ヨシュアとティアラは、夕方になってレスターが手配した迎えによって城に戻った。 そして、濃厚な一日が幕を下ろそうかという時分になってから、ヨシュアの部屋にレスターが訪ねてきた。 もちろん、表の通路から普通にやってきた。 「デートはどうだった」 勧めた席に着く前に、レスターから隠す気のない好奇心を寄せられる。 「どうもこうもないです。あれがデートだって言い張るなら、俺が相手じゃなくたって振られますよ」 言い返すヨシュアは、体がだるくて足取りが重たい。 あれから、食後に長居をするわけにもいかないヨシュアとティアラは、間もなく店を出ていた。 不機嫌ながらも迎えが来るまで辺りを案内すると言うティアラに任せたまではよかったが、連れられた場所が酷かった。 先を歩くティアラはどんどん人里を離れ、道なき道を分け入った。 必死に後を追ったヨシュアが見せられた景色は、本当に綺麗なものだった。 しかし、同じ分だけ険しい帰り道は辛さしかなかった。 相手がお姫様でもなければ、正座をさせて説教したいところだ。 「あの子は野生児だからね」 昼間のレスターの発言に嘘はなかったのだった。
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