第二章

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小さな吐息を挟んで、話は続く。 「まともに悲しむ時間もなく、うとうとしていた合間に、あいつが久しぶりに姿を見せてきた。そして、とうとう現実で会おうと言ってくれた。私は教えられた場所に飛んで行ったよ。そこで待っていたのが、あの獣だ。疲れきった体で衝撃を受けている私に第一声、あいつはなんて言ったと思う?」 表現し難い表情を向けられ、ろくな発言でなかっただろう事だけは推測できた。 「あの莫迦はね、この姿も悪くないだろう、ってドヤ顔で言ったんだよ! 信じられる!? 大切な人を亡くして、必死に采配している私に向かって、優しい言葉一つかけないでそれだ!! ありえない!! これだから、種族が違う奴とは根本的に合わないって言うんだ」 カミの自業自得なので、ヨシュアは乾いた笑いしか出てこなかった。 「腹が立ったから夢から追い出してやったら、その足でちゃっかりとティアラの夢に潜り込んでるんだから、節操がなさすぎるにも程がある。だから、私の目が黒い間は、絶対に誰にも手を出させないって決意したのよ!!」 鼻息も荒く捲し立てられたヨシュアは、やはり関わるべきじゃなかったと後悔していた。
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