第1章

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「ジョセフィン、どうして 答えないんだよ! 」 彼女は答えなかった。 俺の中で彼女への 愛が殺意に変わった。 ただ、彼女さえ永遠に側に 居てくれると約束してくれたなら 違っただろう……。 新聞は俺に哀れみの記事を 書き立て……ニュースや ワイドショーでは 仲睦まじい二人の 映像が流れていた。 映像の中でインタビュアーが 彼女にマイクを向けて質問する…… 「ミス・ジョセフィン、 スティーブ博士と結婚を 決めた理由は? 」 彼女は満面な笑みで 「彼は私が出逢った中で 最高に紳士な人よ。どんな人も 見下さない……女性を尊重 できる世界一、素敵な 男性だからよ。彼以上の 紳士は居ないわ」 とキッパリ答えた。 そして、どこに行くにも 二人の姿。 場面はあの夜の自宅に 戻る……。 キャスターの解説が始まった 所でテレビを消した。 「ジョセフィン…… ウィルスは 一体、誰から? 」 俺しか知らない真実。 連日、悲しいヒーローとして 俺はテレビで取り上げられた。 もう……疲れた。 疲れた。 ねぇ……ジョセフィン? 君が一番、愛していた人は誰?
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