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とりあえず体育館に逃げ込んできたは良いけど、席はどこだろ。
あ、あそこに先生っぽい女の人が立ってるから聞いてみようかな。
「あのー、すいません。Sクラスなんですれど、席ってどういう順番で座ってるんですか?」
「あらあら、新入生さんね。僕のクラスはあっちよ。受験番号順で座って貰ってるからこの紙を見てね」
凄いぽわぽわした人だなぁ。それに随分若いしこの人も新任の人なんだろうか。
いつまでも入り口に立ち止まっている訳にも行かないし、お礼を言って未だにブツブツ呟いてる雷山の手を引きながらSクラスの席へ連れて行くとしようかな。
「ありがとうございますー!さ、雷山!俺たちのクラスはあっちだって、行くよ!」
あの先生から受け取った紙を見てみると、席順が記載されているみたいだ。
俺の受験番号が1320番だから…あ、この席か。
ふむ、そろそろ放心状態の雷山を起動状態にする為にも肩を揺らしながら声をかけてみよう。
「雷山!クラスの席に着いたよ!受験番号は何番?」
「ちょっ…紅葉くっ…わかっ…揺らさないで…頭がっゆれっ…!」
おっとやり過ぎてしまったみたいだ、てへぺろ。ほら、脳を覚醒させるために揺らすと良さそうだし。特に根拠はないけど。
「あはは、ごめんごめん。で、受験番号は?」
「ふぅ…まだ頭が少し揺れてるんだが…あぁ、受験番号だったな。1325だ」
1325か…おっ、隣じゃん。
ん!?なんか一瞬雷山の喋り方に違和感を感じたけど気のせいかな…?
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