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「まぁ何が言いたいかって言うと、喋り方や振る舞い方だけが貴族じゃないよってことだよ」
なんとなく言いたいことに察しがついたのか、雷山の顔が少し明るくなった気がする。
「これは一平民のちょっとした感想だけど、喋り方や振る舞い方が全然でも、しっかりと領地を正しい道に導いてくれる方がよっぽど貴族らしくて良いと思うよ」
「まぁ勿論TPOも考えてね」と、一言付け足しておく。やばい、今俺超かっこいい事言ってる。
「そう…だな。うん、そうだな!紅葉君の言う通りだな!」
俺が自分のセリフを名言リストに入れてると雷山がうんうんと頷いてる。ふふっ、そんなに俺の名言を気に入ってくれたのか。
「ありがとうな、紅葉君。なんだか胸の突っ掛かりが取れた気分だよ!」
お礼を言われるのは悪い気分じゃないけど、笑いながら肩をバシバシと叩いてくるのはやめてほしいです。痛い、雷山それ痛い。
「いやー、それにしてもさっきの自分を思い出すだけでも恥ずかしい、あぁ恥ずかしい」
それから暫くして叩くのを辞めると、顔を赤らめながら自分の過去を呪っている。
まぁ確かにさっきのはちょっと…というかドン引きするレベルで酷かったもんね。
それから自分の中で折り合いを付けたのか、思い出したかのように俺に聞いてくる。
「そういえば俺が貴族だって気付いたのに、紅葉君は敬語使ったり壁作ったりしないんだな」
あ、雷山は一人称も俺から僕に変えてたのか。
って違う違う、そんなこと考えてる場合じゃなかった。
「んー、外で出会ったら多分敬語使ってただろうけど、同い年ってこともわかってたし、それに学園内なら問題ないかなぁ…と」
まさか敬語で喋らないとダメだったかな…。
俺が少し不安そうにしてるのか気付いたのか、雷山がすぐに安心出来ることを言ってくれる。
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