入学式で初めて喋った人が普通の人とは限らない。

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それから新任の先生の紹介やら、新入生代表の挨拶やら色々終わって今は学園長の挨拶の真っ最中。 なんだろう、あの学園長さっきから同じこと三回くらい喋ってる気がする。 長い。学園長の話長い。 横でウトウトしてた拓海がついには鼻ちょうちんを膨らますくらい長い。 「___であるからして、この学園では清き心を持ち、正しい魔法の使い方を学ぶ事を心から願っています。改めて入学おめでとう」 やっとか、やっと終わった。そろそろ残り少ない学園長の髪の毛を他の先生が毟りそうな雰囲気だったよ。 それから各教室に移動する様に指示されてクラス毎に動き出す。 俺たちはどうやら最後みたいだ。とりあえず拓海を起こしてこうかな。 「ほら、拓海。入学式終わったよ。起きて」 「ん…女子大生…でゅふ」 成る程、こいつが女好きっぽいのはキャラ作りじゃなくて天性か。 イケメン死すべし。西条流百叩きをお見舞いしてやろう。 「あたたたたぁッ!」 ふっ、西条流百叩きとは寝起きの悪い俺を起こす為に奈央が考えた奥義だ。 やり方は簡単。手を往復ビンタの要領でブラブラさせて鼻の先っちょを指先で叩くだけ。超痛い。 「ちょ、いた…痛い。なにこれ痛い…?え、痛い…痛い!紅葉!?起きた、起きたから辞めて痛い!」 おっと、奈央に叩かれてた記憶を思い出している間に拓海がいつの間にか夢から帰還したみたいだ。 「やっと起きた。ほら、ここは高校だから居てるのは女子高生だし、もう入学式も終わってそろそろ教室に移動だよ」 「あ、あぁ…ありがとう…。こいつ思ったけどSっ気強いな…」 …僕は聞き逃さなかったからね拓海くん?
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