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「次はSクラスの生徒は移動しますー。私について来てくださいねー」
少し生徒同士で騒ついて来た頃、壇上の上に立っているぽあぽあ先生から声が掛かる。
「なぁなぁ、着いて来てってことはあの人が担任ってことだよな…?」
突然横から震え気味の声が飛んでくる。
え、なにいきなり。まぁ確かにあの人が担任なんだろうけどそれが…あ。なるほど。
さっきまで放心状態だったからぽあぽあ先生を初めて見たのか。
自分の中で整理を付けている間に、無言を肯定と受け取ったのか拓海は更に震えながら俺に言った。
「おいおい…まさかあんな美人が担任なのかよ。俺やべぇよ紅葉!っべぇ…」
うん、確かに君はやばいと思うよ。べらぼうにやべぇと思う。特に頭が。
「ほら、そんなどうでも良いことは置いておかないと俺らが文字通り置いてかれるよ?」
もう先生に先導されて皆ゾロゾロと移動を始めてる。
俺も道がわからないから出来るだけ置いてかれることは避けたいんだよね。
ほら、後ろの方を歩いてる女の子が気を使ってさっきから振り向いてくれてるじゃん。
「しかもあの間延びした喋り方!あれ絶対天然だぜ!?あんな美人で天然とか裏がありそうで怖いぜ…」
ダメだ、全然話聞いてくれてないや。前の女の子にも悪いし先に行っちゃお。
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