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「あは、は、俺は拓海ってんだ。こいつとは俺も今日知り合ったばっかなんだがよろしくな」
会釈を見た拓海が苦笑いを浮かべながら自己紹介をする。
それに対してまたぺこりと会釈を返してくれる彼(彼女?)。
それから特に声を出すことが無いことから自己紹介をする気配が無いことが伺える。
また後ろの方から拓海の苦笑いが聞こえてくる。
この状況は一言で表すなら気まずいが一番的を得てると思うので、苦笑いが出てくるのは幾分仕方ないと思うなぁ。
正直俺もどうすればいいのかちょっとわからなくなってきたところで、拓海に声がかかる。
「おや、君は雷山じゃないですか。奇遇ですね、こんな所で会うなんて」
声の主は教室の反対側からこちらへ歩いてくる。
うひー、これまた凄い格好だ。思わず目を細めてしまうくらいキラキラしてる装飾が沢山付いたローブを羽織っている。
拓海に対する反応からしても多分この人も貴族なんだろうけど、趣味悪すぎるよ…。
「…ゲッ」
うん、この反応を聞く限り、どうやら拓海の知り合いなのは間違いなさそうだ。
どうにも仲良しって訳じゃあなさそうだけど。
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