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「おや、そちらの方は?」
どうやら西ノ宮君は隣の席の子に興味を示したらしい。
しかしそちらの方は?と言われても俺たちも良く分からない。
そこで痺れを切らしたのか西ノ宮君は彼(彼女?)の方へ歩いていく。
「失礼ですが聞こえてますか?貴方に言ったんですよ貴方に。貴方も雷山の友人なのでは?」
んー、友人では無いんだけど…、とりあえず止めるべきかな…。
「あの、西ノ宮君。その人とはさっき自己紹介したばっかで_____」
「何時まで無視をするんですか…。大体人に話しかけられてるのにローブを深く被ったままなのは非常識なのでは!?」
どうやら止めるのが少し遅かったみたい。
無視されっぱなしだった西ノ宮君が遂には地雷に触れてしまったみたいだ。
この人が教室で一際浮いていた理由としては、真っ黒なローブを顔が見えないくらい深くかぶっていたからだ。
教室で、ましてや初日で顔を出さないってことは、怪我とかそれなりに何か事情がある。それを察して気にはなっていた皆が敢えて触れなかった地雷に西ノ宮君は触れた。文字通りローブを外そうとして。
すると、今まではほんの少ししか感情表現を示さなかったのに、ローブ君は目に見える範囲でローブを外されまいと抵抗を示した。
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