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「おい、西ノ宮!流石にそれは…っておい紅葉!?」
拓海が西ノ宮君を制止するより俺の手が先に西ノ宮君の手を止めていた。
「いくらなんでもやり過ぎだよ西ノ宮君」
「なんですかこの手は…。あくまでも僕はこの方が非常識だと思ったから、それを早目に正そうとしていただけです。早く僕から手を離しなさい」
段々と教室中がザワザワと騒がしくなってきた。大きな騒ぎになる前に収めないと。
「勝手に話しかけておいて勝手に怒って非常識だなんて、どっちが非常識かわからないね。君は押し売り業者か何か?手を離すなら君が先だよ」
「…っ!よく言ってくれましたね。君は西条君でしたか。良いでしょう、この場は貴方に免じて引きましょう」
どうやらその場凌ぎの皮肉にしては上手く怒りの矛先を俺に変えれたみたいだ。
それに西ノ宮君も馬鹿じゃないみたいだし、周りのざわめきに気付いて引いてくれるみたいだ。
「西条君、貴方も少しは面白そうな人だ」
俺の耳元でそう呟いた西ノ宮君が俺達から離れて行く。正直なんかゾクッとした。耳元は弱いんだよ。
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