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「おいおい、ヒヤヒヤさせるなよ紅葉…」
「あはは、ごめんごめん!でも流石に喧嘩になりそうなら謝ってたよ」
「あいつも貴族なのを良いことに権力を使ったりはしねぇけど、マジで気を付けてくれよ」
た、確かに今冷静になって考えたらそうだね。西ノ宮君で良かったかも…。
「うん、次からは気をつけるよ!っとと、君も。ごめんね、大丈夫だったかな?」
一番大事な事を忘れるところだった。ローブ君は大丈夫だったかな?
「そうだな、悪いな俺らのせいで変な事に巻き込んじまって」
「………」
相変わらず何も喋らないけど、一つコクリと首を縦に振ったところを見ると、大丈夫というアクションなのかな?
「そっか、良かったぁ!本当にごめんね!」
折角お隣さんになったのに、これで一度も話してくれなくなったりしたら寂しいもんね。
「………」
なんて事を考えてる間もローブ君は俺達の方をジッと見つめてくる。
ど、どうしよう…。やっぱり怒らせちゃったかな…。
それからどうしたらいいか迷いを馳せらせていると、タイミング良く教室のドアが開いた。
どうやら先生が入ってきたみたいだ。
その時蚊の鳴くような声でローブ『さん』から「ありがとう」と言われたのを聞き逃さなかった。
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