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俺だって、
こんなのただの我が儘だっていうのはよく解ってる。
ーー解ってはいるんだけど、
「芽依は、冷たいよな?
休憩中なんだし、これくらい、別に良いだろ?」
なんて、
ホントに情けないけど、
我が儘でどうしようもない俺は、
そんなガキみたいなことを言ってしまう。
「……だって、海翔、全然休む時間がないじゃない。
ちゃんと休まないと、身体もたないよ?
そんなのイヤだ。冷たいって思われたって、海翔が元気な方が良いもん。
お願いだから、ゆっくり休んで」
あ~あ、俺って、ホントにガキじゃねぇかよ……。
芽依が泣きそうな声で言ってきて初めて、
俺のことを心配してのことだって気づくなんて。
ヤッパリ芽依の方が俺なんかよりもよっぽど大人だよな……。
そう気づかされるたびに、
芽依を『幸せにする』とか『守る』なんて偉そうなこと言っといて、
俺の方が芽依に知らないうちに守られてて、
幸せにしてもらってることに気づかされるんだ。
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